みなさまは、北海道の浦河という町をご存知でしょうか?帯広空港から車で約2時間のところにあり、太平洋に面していて、襟裳岬まで約50キロ。サラブレッドの育成と日高昆布で有名な人口約1万3千人の町です。この浦河町に毎年日本全国から人々が押し寄せる2日間があります。それが、昨年22回目を迎えた『べてるまつりin浦河』なのです。「べてるまつり」の「べてる」とは 1984年に設立された北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点の総称として「べてる」と呼ばれています。その活動には、社会福祉法人浦河べてるの家、有限会社福祉ショップべてるなどがあります。このべてるの取り組みとして有名なのが『当事者研究』と呼ばれているものです。この『当事者研究』というのは、自分の抱えている病気や障害の苦労を仲間に話すことで問題を外在化させ、仲間と一緒に見つめ直すことで、困りごとや苦労のサイクルが見えてきて、自分でコントロールできるようになっていくというものなのです。べてるの家には『三度の飯よりミーティング』『弱さを絆に』などちょっとユニークな理念がたくさんありますが、そのなかに、『勝手に治すな自分の病気』というのがあるのです。勝手に治っていくのではなく、みんなで回復していくという時の、その回復には、勝手に治ったのとは違う強さのようなものがあるというのです。べてるの家は今でも毎日何かが起き、問題がいっぱいだそうです。でもそれぞれの苦労も「それで順調!」と受け入れて、笑ってしまう明るさが、べてるの家の今を支えているとも言われています。ゆるりとしていて、でも力強い不思議な空気には何か未知の可能性があるように感じます。みなさんもぜひこの不思議な空気を味わいに、浦河町を訪れてみてください。そして、もし行かれた際には「カフェ ぶらぶら」で「幻聴パフェ」をぜひ召し上がっていただきたいです。
とてもおいしいですよ。